2017/08/17
現在(平成29年5~8月)、RSウイルス感染症が大流行しています。1~3歳の乳児では肺炎を併発することがあり、0歳児特に低月齢の乳児では、呼吸障害をきたし命にかかわることもあります。
このRSウイルス感染症は鼻水、咳で始まります。従って、鼻水で来院された乳児にはRSウイルス感染症の初期症状も疑ってかかることが必要となります。それには呼吸状態の把握を含めた全身の診察が行われるべきで鼻の所見だけでは「木を見て森を見ず」と言えるかも知れません。
さてどうすれば呼吸の状態を把握できるでしょうか?
まず、お子さまの胸腹部を見て、呼吸の仕方を観察しましょう。呼吸状態が悪い時には、呼吸数が増加し、胸腹部の動きが激しくなり、まるで全力疾走直後の呼吸状態になります。さらにもっと悪化するようなら微弱な呼吸となり、顔色も青白くなります。この状態は命に危険が迫った状態なので、救急車の出動を依頼すべきです。
こうした事態に備えるために、お母さまのやるべき事は、正常な呼吸状態を知る事です。それには普段からお子さまの呼吸状態(1分間の呼吸回数、呼吸の深さ)を観察すべきでしょう。そうすれば、お子さまが呼吸器疾患にかかったとしても、すぐに対処できると思われます。